投資のタイミングを図る際に、アノマリーを参考にするトレーダーも多くいます。
アノマリーとは、理論では説明できない相場の経験値や規則性を意味します。
株式投資では、価格の安い時の買い場で購入し、高くなった時の売り場で売却することが重要です。

しかし買い場を正確に予測することは難しく、また、たとえ利益が発生しても今度は売り場に悩むことがあります。
適切な買い時や売り時を判断するために、テクニカルとファンダメンタルズは王道の分析方法です。

テクニカルはチャートを使う方法で、様々な分析指標を参考にしながら、相場判断を行います。
代表的な分析指標として、移動平均線は最も知られています。
これ以外にも実に多くのテクニカル分析指標があり、各相場状況において有効性に優れたものがあります。

但し、相場は必ずテクニカル分析通りに進むわけではありません。
分析とは違った方向に進むこともよくあります。
経済に影響を与える出来事が起こった場合など、テクニカル分析は機能性を失い、相場は予想外の方向に動くことがあります。

こういった要素をファンダメンタルズと呼び、相場分析をする上でこれも重要です。
経済指標の発表や各国要人の談話など、事前に日時が決まっている場合であれば、相場が動くことを予測して対策を講じることもできます。

しかし、突発的なニュースであれば事前対応ができないため、多くのトレーダーが混乱に陥るケースがあります。
優秀なトレーダーであれば、こういった不測の事態も想定して、リスク対策を行っているのが一般的です。

代表的な分析方法以外にも、トレーダーの多くが注目しているのがアノマリーです。
理由ははっきりしなくても、年間を通じて各時期によって株価が上がりやすい時と下がりやすい時があるという事実です。

4月の株高、夏休みの夏枯れ相場など、経験則から株価の傾向性がつかめます。
例えば、海外投資家が夏のバケーションを取る時期は、売買が停滞し、株価があまり動かなくなることが多いようなことです。

但しはっきりとした根拠ではなく、アノマリーが外れる場合もあります。
もちろんファンダメンタルズの影響によって、アノマリーとは全く違う状況になることもあります。

あくまでそういった傾向があるという意味で、参考程度にしておくことが大切です。
株価が高い時は売り時になり、株価が安い時は買い時になるため、そういった時期を見越して株の仕込みを行うトレーダーもいます。

アノマリーは経験則の要素が強いため、盲信は危険ですが、トレード時期を判断する上で一つの参考にできる方法です。